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なおログ

30歳。東京で働く会社員。心にじんわり広がる幸せ。

日常をラップする詩人、ZORN。

元彼に最も感謝している事のひとつは、私に日本語ラップを教えてくれた事だ。今でこそ「高校生ラップ選手権」が武道館で開催され、毎週地上波で「フリースタイルダンジョン」が放送されるが、彼が私に日本語ラップを教えてくれたのは、このムーブメントが本格的になる少し前だった。私は彼から様々な歴史や知識を仕入れ、せっせとラップを聴いた。そこには生き様があり、知性があり、情熱があり、日本語の面白さがあって、私はすぐに日本語ラップに夢中になった。

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大好きなラッパーがいる。昭和レコード所属の「ZORN」だ。整った顔立ちの若者(イケメン)で、フリースタイルでも好成績をあげてきたし、作る曲もかっこいい。だが、私が最もZORNの好きな所は、彼が書くリリックの素晴らしさだ。

ブログを書いていて、文章を綴る難しさを日々実感している。特に言葉にならない感情や、強い想いの募る物事ほど、表現するのが難しい。「本当はもっと強い感情なのに、こんな風にしか書けない自分がもどかしい」といつも思う。

 ZORNはすごい。日常の風景や実感を鮮やかに切り取って、それを巧みにラップで表現する。しかも韻がガチガチに硬い。日常をラップしているのに、涙が出るくらい心が揺さぶられる。実際、私がラップを聴いて泣いたのはZORNの曲だけだ。ぜひ、私の心を揺さぶった3曲を紹介したい。

奮エテ眠レ

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ZORNがまだ「ZONE THE DARKNESS」名義だった時の代表曲。全てのリリックがパンチラインという衝撃の1曲。ヒップホップへのひたむきさ、真摯さがひしひしと心に伝わってきて、その真っ直ぐさに泣けてしまうのだ。自分を奮い立たせてくれる。

ZONE THE DARKNESS|INTERVIEW[インタビュー]|Amebreak[アメブレイク]

My life

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2015年日本語ラップ界珠玉の1曲との呼び声高い、ZORNの代表曲「My life」。なんでもないような日常を歌っているのだが、その奥底で赫々と燃える家族とヒップホップへの愛情を感じるのがすごい。淡々としているのに胸を打つ。

60wの栄光さ 全然金なくても成功者
一本道を行こう 洗濯物干すのもHIPHOP

Letter

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2人の娘に宛てた手紙、という曲。大事な人に、自分がどんなに大事に想っているかを伝える事って、本当に難しい。言葉にならないのだ。ZORNは華麗な韻で大きな愛を表現しているのだから、もうすごいの一言に尽きる。泣ける。天才。

見つかるかな 夢や生き方
別に立派じゃなくていいから
どこへでもいけ お前らの人生
もしおれが反対しても押し切れ
きっと恋をし やがて愛を知る
でもひとつだけ忘れないでほしい
いつかドレス着る日が来たって
どんな男もお前らには見合わねぇ

母は60歳だが、この曲を聴いて「稀代の名曲だ」と言って泣いていた。ZORNの言葉が年齢を問わず人の心を揺さぶるのを目撃した。ラッパーって時にファッショナブルで、センスがよくて、死ぬほど憧れる。だけどZORNのような才能を前にすると、私のような凡才では絶対になれないと心の底から感じる。リスペクト!